平成12年5月13日

 

 以下は日本大学理工学部建築学科1年次に設置されている、演習科目「情報処理」の毎週の演習概要を、建築学科教員に向けて報告として発信した「情報処理(速報)」を取りまとめたものです。なお、文責は宇於崎にあります。

 

【第1回】

1999.10.8

情報処理(建築学科)(速報1?9.30)

 

■授業(演習)の概要

1.ネットワークによる出席票のオンライン提出を行った。なお、DHCPサーバの不都合により、ネットワークの接続がうまくいかず、出席表の提出先を\\1211sv98\mode777\のフォルダに変更した。

2.パソコンの購入意識に対するアンケート調査の結果を公表した。(概要は以下に示す)

3.夏休みの課題(AC3Dを用いて自分の好きな建物または家具(仮想のものでも可)を製作する。)による作品の提出をA4判1枚に印刷し、デジタルデータの提出を上記のフォルダにおこなった。(いくつかの作品を作った学生もいたので課題のフォルダに全てを収納させ、提出させた)

4.後期の予定を発表した。

 

■アンケートの結果(概要) 森泉先生集計

1.設問が不適切であったのか、設問により回答数が一致しないものがありますが(答えるべきでないところを答えたり、またその逆もあったり)、集計結果を簡単にまとめると、

2.コンピュータを持っている家庭は約7割であり、しかも「まったく使われていない」という状態も2割を切り比較的身近に親しんでいる模様。

3.大学の貸与しているノートパソコンに対しては、重さ・大きさに対する不満が多いものの性能に対しては「価格に見合ったもの」と認識している様子。

4.「自分で購入」するのならば多少高価でも、軽く・高性能なものを要望する学生が比較的多かった(特に,女子学生に顕著である)。しかし、本査結果は貸与しているノートパソコンに比較的慣れた時期に行ったことと関係していると思われ、例えば入学当初に行うと違った結果(性能よりも価格重視の傾向)が得られるかもしれない。

5.リテラシアンケート調査結果

 1)パーソナル・コンピュータ(以下,PCとする)を最初に触ったのはいつ頃ですか?(N=288)

 小学校時代 中学校時代 高校時代 本講義が始めて

  16.5%      45.9%  18.8% 18.8%

 2)自宅にはPCがありますか?

                ある    ない

                68.9%  31.1%

        ↓

      主な利用者は?(複数回答可)

  自分自身    父母    兄弟姉妹

  54.3%      51.0%  31.8%

        ↓

        主な用途は?(複数回答可)

    イ:事務利用(ワープロ・表計算)(51.0%)

  ロ:通信            (26.5%)

  ハ:ゲーム           (29.1%)

    ニ:使われていない・わからない (20.5%)

  ホ:その他           (17.2%)

 

 3)自分の専用機として利用するノートPCを購入することを仮定します。購入の際、以下の項目についてどのくらい重要視しますか?括弧内に、イ:重要、ロ:あまり気にしない、ハ:まったく気にしないと回答してください。(以下は実数)

    イ:価格(イ:202,ロ:16,ハ:0)

  ロ:CPU性能(処理速度)(イ:165,ロ:51,ハ:2)

    ハ:ディスプレイの見やすさ(イ:152,ロ:64,ハ:2)

    ニ:キーボードの打鍵感覚(イ:48,ロ:151,ハ:19)

    ホ:ポインティングデバイス(マウス等)の操作性(イ:100,ロ:108,ハ:10)

    ヘ:携帯性(重量・大きさ)(イ:168,ロ:40,ハ:10)

  ト:外観(見た目の良さ)(イ:100,ロ:102,ハ:16)

    チ:OFFICE以外のオマケソフト(ゲーム等)(イ:38,ロ:119,ハ:61)

 

 4)大学貸与のノートPCを利用して受講している学生に、PCの性能(液晶の画質、重量、付属品等を含む)には満足していますか?

        はい    いいえ

        60.7%  39.3% 「いいえ」のほとんどが重さに対する不満、次いで大きさ。

 5)個人でノートPCを利用して受講している学生に、受講時に使用しているPCと講義の関係は?

  イ:以前から個人PCを必要と感じており、講義とは関係なく購入した(2名)

  ロ:コンピュータリテラシの受講を契機に購入したもの(12)

 

■夏休みの宿題・課題の提出

1.AC3Dには印刷の機能がないために、画面に表れている情報を「Print Screen」キーを用いてコピーし、MS?WORD、MS?POWER POINT、Photo EDITER、ペイントなどのアプリケーション上の画面に貼りつけ、加工(トリミングや図の大きさの変更、文字入力)を行って提出させた。

2.印刷物には、学科、学年、学生番号、氏名を明記し、作品名(何を作ってきたか)と苦労した点を任意に入れさせた。

 

■後期の予定

1.MS?Excelによるデータ処理(数値積分など)とグラフ化によるレポート作成(4?5回)

2.建築学科電算システムのID取得と電子メールの利用

3.ホームページの作成

 

■今週の感想

1.夏休み終了直後ということで、落ち着きの内学生や私語の多い学生などが目立った。

2.先回のメディアモジュールの忘れ物がについては、本人の申告により返却を行った。

3.夏休みの宿題はかなりの力作がある一方で、完全に手を抜いた(15分程度の作品ではないかと疑われるような)作品も見られた。


【第2回】

1999.10.13

情報処理(建築学科)(速報2?10.7)

■授業(演習)の概要

1.先週からのDHCPサーバの不調のため、出席票によるオフライン提出を行った。

2.MS?Excelの紹介と、表計算の方法、グラフ化に関する簡単なレクチャーを行った。

3.MS?Excelを用いた正弦波の表示方法を示し、実習を行わせた。なお、あわせて正弦波を積分したグラフに関するレポートを宿題とした。(今週ノートパソコンを持ちかえる者のみ)

4.AC3Dによる作品(夏休みの宿題)の返却を行った。

5.前期のコンピュータリテラシの課題・出席などを加味した最終的な成績の一覧表を学生に示し、自分自身の成績を確認させた。なお、成績に不満のある者は授業後に意見を聴取した。

 

MS?Excelに関するレクチャー

1.MS?Excelの行・列・セル・シートなどの名称と入力方法などに関してレクチャー

2.最大列数と最大行数を確認

3.表計算の方法のレクチャー

                                       

              番号    項目    単価    数量    金額

              1       ノート  300     3       900

              2       テキスト2500    10      25000

              3       ペン    100     5       500

              4       消しゴム50      8       400

              5       合計                    36800

 上記のような簡単な表をまず、すべてキーボード入力より作成させ、合計欄(複数セルの足し算:=SUM(E2:E5))の計算式のつくりかた、金額欄(単価×数量:=C2*D2)などについてレクチャーし、コピーの仕方やセルの座標を絶対座標にする方法($マークの付加)をレクチャーした。

4.数量と金額を用いて簡単なグラフ化の方法を示し、グラフの表現方法の変えかたとして、線の太さや色、マーカーの種類、背景色などの判りやすい表現とする方法についてレクチャーした。

5.正弦波の描き方について、デジタルコンピュータでは連続量を計算できないが、表現する時間間隔を充分に短くして表示することで見かけ上、正弦波に近いものが得られることを講義した。

6.正弦波の関数を  χ=Asin(2πft+p)とし、

A:振幅

π:円周率(MS?Excelでは" PI()"と表現

f:振動数[Hz](1秒間に何回波が往来するか)

t:時間

p:初期位相[rad]

TAU:きざみ時間(時間間隔)[s]

 A=10、f=2、p=π/4、TAU =0.01で時間(t)と関数(χ)の関係についてグラフを描かせた。

7.宿題として、1)上記関数について積分式を用いた解析にもとづきグラフを作成すること、2)上記関数によって描かれたグラフを用いて数値積分(台形則による)を行いグラフを作成すること、3)両者の違いがなぜ起こるのかの3点をA4判1枚のレポートにまとめて次週提出するという課題を出題した。

 

■今週の感想

1.MS?Excelは小学校程度の作業からいきなり大学生レベルの関数の入力にステップアップし、ついてこられない学生も目だったが、繰り返し関数(方程式)入力の考え方をレクチャーすることで理解をうながした。

2.後期の入り受講者数が8割程度に減った(見た目)ので、演習としてはやりやすくなった。

3.新谷先生が5時限目の講義(「建築情報処理Ⅱ」)の担当ということで、放課後の延長や不明な点の質問等に応える時間の設定が難しくなった。


【第3回】

1999.10.22

情報処理(建築学科)(速報3?10.14)

■授業(演習)の概要

1.DHCPサーバの不調のため、Microsoftネットワーク接続によって出席票をオンライン提出させた。

2.先週出題した課題についてプリンターを用いて印刷させたのち提出させた。

.MS?Excelを用いた微分、雑音、フィルタの考え方をレクチャーし、実習を行わせた。なお、あわせて雑音を含んだ変位の計測結果のデータとグラフを示し、速度を求めさせるレポートを宿題とした。(今週ノートパソコンを持ちかえる者のみ)

 

■数値微分、雑音、フィルタに関するレクチャー

1.数値微分

 微係数=関数の傾き(微分に近似した形で求める)

  df(t)

  -------- =f'(t) を求める。

   dt

 y=f(t)においてtn-1からtnまでの時間間隔をτとする時、関数の傾きを求めるには、

 

   fn?fn-1

  ---------- =f'(tn) (後方差分)を用いる。

    τ

                cf:前方差分、中央差分

 

 ただし、雑音を含んだ信号をどのように微分(変位から速度を求める)するか?一般に微分すると雑音が強調されてしまう。

 

2.雑音(ノイズ)の模擬

 0?1の一様乱数を発生させるには =RAND() を用いる()内は何も入れない

 ?An?Anの一様乱数に変換するには  =2An*(RAND()?0.5) として近似させる。

 

3.雑音フィルタ(ノイズを取り除き、もとの振動成分のみを取り出す。今回は、高振動数領域低減フィルタ(Low Pass Filter,High Cut Filter)を用いる。=ゆったりした波形はそのままアウトプットし、激しい変化の波は振幅を小さくするフィルタ

 移動平均により実現:tnの前後の5点(奇数個ならばいくつでも可能、適正な個数の判別も必要)によるそれぞれのynの値を平均値として再計算し、これをtn時の値とする。

    1

n=--------{yn+Σ(yn-k+yn+k)}

   2m+1

 

信号と雑音は必ず混合して出てくるので、信号のみを得ることは困難である。これにフィルタをかけできるだけ元の信号の微分値に近いものを得る。その際、フィルタを先にかけ、微分した値と微分した値にフィルタをかけるのではどちらが有効か?何度かフィルタをかけた場合はどうか、上記の雑音フィルタで(2m+1)の影響はどの程度発生するのか(あまりのもmの値を大きくするともとの信号まで減衰させてしまうので、適正な値を見出す必要がある)

 

4.y=Acos(2πft+p)とした場合の値を求める手順

 

時間

変数

単位

 

番号

時間

信号

雑音

観測変位

理論計算

観測速度

ろ過速度

 

TAU=

0.001

[S]

 

1

0

※1

※2

※3

※4

 

 

 

 

 

2

0.001

 

 

 

 

※5

 

信号

 

 

 

3

0.002

 

 

 

 

 

※6

 

振幅=

10

[cm]

 

4

0.003

 

 

 

 

 

 

 

周期=

0.5

[S]

 

5

0.004

 

 

 

 

 

 

 

振動数=

1/周期

[Hz]

 

6

 

 

 

 

 

 

 

 

円振動数=

振動数*2π

[rad/s]

 

7

 

 

 

 

 

 

 

 

初期位相=

π/4

[rad]

 

8

 

 

 

 

 

 

 

 

10

 

 

 

 

9

 

 

 

 

 

 

 

 

11

雑音

 

 

 

10

 

 

 

 

 

 

 

 

12

振幅=

[cm]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

13

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

14

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

15

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表は1000番目約1秒間程度は作成する

※1 =Acos(ωt+P) =$B$5*cos($B$8*$F2+$B$9)

※2  =2*An*(RAND()-0.5) =2*$B$12(RAND()-0.5)

※3  =$G+$H

※4  =-Aωsin(ωt+P) =-$B$5*$B$8*sin($B$8*$F2+$B$9)

※5 =$I3-$I2/TAU =

※6  =AVERAGE(K2,K6) 5点平均値

上記のような簡単な表をつくりながら、まずMS?Excelによる微分の解法などを示した。

 

4.宿題として、サーバのハードディスク内に作成したデータとグラフを自分のパソコンのハードディスクにコピーし、このデータをもとに解析を行うこととした。なお、A,B,C組はそれぞれ異なるデータを配布した。

課題:ある物体の変位を計測した結果であるが、観測雑音を含んでいる。この物体の速度を求めよ。

1)微分とフィルタをどの時点でかけるか、2)フィルタは何回かけるか、3)(2m+1)をいくつに設定するかなどを検討し、考察を付けてA4判1枚のレポートにまとめて次週提出。

 

■今週の感想

1.後期の受講者数がどんどん減ってきているので、演習としてはやりやすくなった。

2.貸与のノートパソコンの扱いがかなり乱暴になってきているようで、本日2台の修理が出たため、建築学科としての代替機の予備がなくなった。学生には再度注意をうながした。また、メディアモジュールなどの部品の紛失等も目立っているようで、本日も購入希望の学生が1名あった。

3.教室前方に座ってレクチャーを充分に聞き、質問などによって理解を深める学生がいる一方で、教室の後方の学生はまったくお手上げ状態になっているものや、自主的に学ぶ意欲をなくしている者も見られるようになった。


【第4回】

1999.10.27

情報処理(建築学科)(速報4?10.21)

■授業(演習)の概要

1.DHCPサーバの不調のため、Microsoft ネットワーク接続*によって出席票をオンライン提出させた。

Microsoftネットワークは、ファイルやフォルダのアクセス権に対する設定が細かくできないため、出席票の提出や課題のコピーの際に他人のフォルダを消したり移動したりという事故が発生している。TCP/IPブロトコルによるきちんとしたサーバが設置できるように、ネットワーク環境の早急な修復が望まれる。

 

2.先週出題した課題についてプリンターを用いて印刷させたのち提出させた。

3.MS?Excelの練習として阪神・淡路大震災の実際の加速度記録をネットワークを通じて配布し、加速度記録から何が読み取れるかをペアで5分間でまとめて、ネットワークにより提出させた。さらに、データに若干の修正を加えて速度と変位を求め、そこから何が言えるのか(例えば、本当に地盤は動いたのかなど)をA4判1枚でレポートする宿題とした。(今週ノートパソコンを持ちかえる者のみ)

 

■阪神・淡路大震災の実際の加速度記録

1.地震の観測について

 地震の観測には手間と金がかかっており著作権があるが、今回配布したもの(JMA神戸の記録)に限っては学術利用のための公開が許可されていることを周知させた。

2.データの特徴

 データは時刻歴波形で水平方向(東西、南北)、上下方向別に加速度(cm/s/s)で示されている。時刻は0.01秒刻みで90秒までが示されている。(ファイル名SEISKOBE2.XLS)

3.データの限定

 データ量が多いので、地震の始まりと終わりの時刻をさらに限定し、14.00秒から34.47秒までを今後用いることした。(時刻は14.00秒を0.00秒に修正、データ個数を2048個とした)

新ファイル名SEISKOBE4.XLS

4.積分を用いて速度と変位を求める

 加速度(cm/s/s)を積分すると速度(cm/s)、速度(cm/s)を積分すると変位(cm)が求められることをレクチャーし、このグラフを作成した上で何が言えるのかをレポートする課題とした。

 

■今週の感想

1.レポートの提出に関してまったくオリジナリティの感じられない6名のレポート(相互比較の結果、誰かのレポートを参考にまとめていると判断された者)に関しては、大幅な減点を行うことを公表した。教えあうことは悪いことではないが、その上で自分なりの工夫や解析を行うことが重要であること教授した。

2.学生に貸与したノートパソコンの修理中の代替機として、さらに10台の追加貸与を受けた。

3.先回に続き教室の後方の学生はまったくお手上げ状態になっているように見うけられるので、最後列着席を認めず、前列に詰めるよう指示を行った。

4.コンピュータは道具に過ぎず、課題に対して自己の考える力を養うことが重要であることをさらに徹底して行う必要がある。


【第5回】

1999.11.12

情報処理(建築学科)(速報5?11.4)

■授業(演習)の概要

1.先週同様Microsoftネットワーク接続によって出席票をオンライン提出させた。

2.出題した課題についてプリンターを用いて印刷させたのち提出させた。

3.課題のデジタルデータをネットワーク上の出席票を提出したフォルダ内にkadaiのフォルダを作成して必要なファイルをすべて提出させた。

4.計測誤差と誤差の修正に関するにレクチャーを行った。

5.以下の課題を出題した。A4判1枚でレポートする宿題とした。(今週ノートパソコンを持ちかえる者のみ)「計測加速度の零軸変動の影響を除去して、加速度、変位の補正時刻歴波形を求め、3次元空間での地盤の最大移動量MAX{SQRT(X*X+Y*Y+Z*Z)を求める。」

 

■計測誤差と誤差の修正に関するにレクチャー

1.計測加速度(実測)の数値積分に関する問題

・計測誤差:測定装置の設定の仕方や電気的増幅により振動をとらえるために発生

・そのため零軸の変動(曲)線を測定変動量から引くことでこの誤差を除去する

・いろいろな零軸の求め方はあるが最も簡単な方法として最小自乗法によるものがある。

2.最小自乗法による回帰線の同定

・計測データを(xi,yi)とすると、求めたい回帰線(真値)は計測データの傾向を最もよく近似する線である。いま、y=ax+bを回帰線、誤差eiとおけば、誤差の総和が最小になるようにa(傾き),b(切片)を決定すればよい。

・ただし、通常の誤差はプラス、マイナスの符号つきなので誤差の絶対値の総和(または自乗の総和)が最小となるように工夫をする必要がある。

・未知の変数がa,bの2つであるため2時点のみの計測データを用いれば連立方程式から解を求めることができる。

・|yi=axi+b+ei

 |yj=axj+b+ej の連立方程式で誤差ei,ejを無視すればa,bが求められる。

・しかし、実際には誤差ei,ejが存在している。2時点以外の他の計測データとの関係はどうなるなどの疑問点が発生する。

・すべての計測データを用いると  |y1=ax1+b+e1

                 |y2=ax2+b+e2

                 |y3=ax3+b+e3

                 |     ・

                 |     ・

                 |     ・

                 |yn=axn+b+en

となり、誤差e1?enを無視すると未知の変数(a,b)<方程式の個数(n個)となり、解けなくなる。そこできちんと誤差を考慮して求めるために最小自乗法(誤差の自乗和が最小になるようにパラメータを決定する方法)を採用する。最小自乗法の概要・原理や計算方法は、行列を使って説明した方が明快であり、上記の連立方程式を行列で表記する。

・誤差eiの自乗の総和(Σ)が最小(ミニマム)となるようにa,bを決定したいので、

 |y1|   |x1 1||a|  |e1|

 |y2|   |x2 1||b|  |e2|

 |y3|   |x3 1|     |e3|

 |・ | = |・ ・ |    +|・ |

 |・ |   |・ ・ |     |・ |

 |・ |   |・ ・ |     |・ |

 |yn|   |xn 1|     |en|

    {y}    =       [X]       {p}   +   {e}

・Xの転置行列を左から掛けてPにかかる変数を正方行列とし、その逆行列をさらに左から掛けてPのみを抽出する。

Tran([X]) {y} = Tran([X]) [X] {p} + Tran([X]) {e}

     ↓

 Inv( Tran([X]) [X] ) Tran([X]) {y}

    = Inv( Tran([X]) [X] ) Tran([X]) [X] {p}

      + Inv( Tran([X]) [X] ) Tran([X]) {e}

    = {p}

      + Inv( Tran([X]) [X] ) Tran([X]) {e}

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 右辺第2項の~~~部分は統計的(確率的)にゼロとなることが証明され ているため

{p} = Inv( Tran([X]) [X] ) Tran([X]) {y}として、

 {p}=Tran{a,b}を算定することができる。

また、[X]はN行2列なので、Tran([X])はN行2列であり、両者の乗算であるTran([X]) [X]は2行2列となることから、高等学校までの知識で簡単にその逆行列であるInv( Tran([X]) [X] )を求めることができる。

具体的には、

Inv( Tran([X]) [X] )=|a b|-1

            |c d| 

             1

          =????? |d ?b|

            ad?bc |?c a|

          

          =|a' b'|

             |c' d'|

のように計算すれば良く、

 

Tran([X]) {y}は、Tran([X]) {y}=|Σxiyi|

                 |Σyi  

 

であるから、求めたい{p}は以下の式で算定できる。

{p} = Inv( Tran([X]) [X] ) Tran([X]) {y}

  = |a'Σxiyi+b'Σyi|

    |c'Σxiyi+d'Σyi|

 

この結果、 {p}=Tran{a,b}が求まり、近似回帰線を計算することができる。

 

■ 今週の感想

1.行列式の変形や計算に対してまったくお手上げの学生がいることが明らかとなった。高校時代の数学について復習をうながした。

2.表計算を学ぶ上で一例として示している数値や計算方法を内容を理解しようとせず、単純に数値や記号を写すのみの学生も見られる。大学での授業の受講形式が受身のものが多いために積極的に自分の頭で理解し考えようとする習慣が身についていないのではないかと危惧される。

3.課題のデジタルデータをネットワークを通じて提出させたが、このような提出方法を指示すると、必要なファイルと不要なファイルの区別がつかず、自分のフォルダ内のデータを全てコピーするという暴挙に出る者がおり、サーバのディスク容量を圧迫したり、ネットワーク負荷を増大させたりして、授業の進行の妨げになっている。一部の技量や知識が不足した学生(普通に授業を受けていれば理解できる範囲さえも修得していない学生)がいる為に、授業全体の進行に支障が出るのは問題である。


【第6回】

1999.11.24

情報処理(建築学科)(速報6?11.11)

■授業(演習)の概要

1.Microsoftネットワーク接続によって出席票をオンライン提出させた。建築学科ではプロキシサーバが利用できないのは、授業(演習)にかなりの障害となる。次回からは船橋校舎の適切なプロキシサーバを設定・経由して、インターネットに接続できるようにする予定。

2.出題した課題についてプリンターを用いて印刷させたのち提出させた。

3.課題のデジタルデータをネットワーク上の出席票を提出したフォルダ内にkadai2のフォルダを作成して必要なファイルのみ提出する。

4.地震応答解析(動力学による)に関するにレクチャーを行った。

5.以下の課題を出題した。A4判1枚でレポートする宿題とした。(今週ノートパソコンを持ちかえる者のみ)「aG≡0(地盤が静止している)として、初期変位のみ(初期速度v0=0)を与えた自由振動を計算し、m、C、kの値による振れ方の変化について考えよ。」

 

■地震応答解析に関するにレクチャー

1.m:質量[kgf・s*s/cm]、C:粘性減衰係数[kgf・s/cm]、k:剛性[kgf/cm]の地面より垂直に立つ振り子は、

          ..   .            ..

         mx+Cx+kx=?mxG  が成り立つ。

     そこで man+Cvn+kdn=?maG,n 

          のxG,nが既知として、

     a:加速度[cm/s/s]、v:速度[cm/s]、d:変位[cm]

 

2.台形則の積分法の応用から、

      vn+1=vn+τ/2*(an+an+1)

      dn+1=dn+τ/2*(vn+vn+1)

         =dn+τ/2*{vn+vn+τ/2*(an+an+1)}

         =dn+vnτ+(τ*τ)/4(an+an+1)

 

  man+1+Cvn+1+kdn+1=?maG,n+1も成り立つのだから、上記2式を代入して

  man+1+C{vn+τ/2*(an+an+1)}

                   +k{dn+vnτ+(τ*τ)/4(an+an+1)}

  =?maG,n+1

 

      [{τ/2*C + (τ*τ)/4*k}an+(C + kτ)vn+kdn+maG,n+1]

∴an+1=? -----------------------------------------------------------------------------

                   m+τ/2*C+(τ*τ)/4*k

 

       Cv0+kd0+maG,0

  a0=? -----------------------

            m

 

3.ここで初期値として、m、C、k、d0、V0、τ(=0.01[s])を与えることで、a0を求めることができ、その結果を用いて、a1が求められる。そこからd1、v1を求め、次にa2を求めるという順序で以下、a、v、dを2048番目まで求める。(先回加工した地震波を利用するため、今回も20.48秒まで作成する)

 

4.初期値は仮に次の値とおくが、課題はこれらの値を変化させるとどうなるかというものである。

  m=10[kgf・s*s/cm]、C=0.3[kgf・s/cm]、k=5[kgf/cm]、

  d0=10[cm]、V0=0[cm/s]

 

■今週の感想

1.今回は式の展開やMS-Excelのセルに数式を代入することはそれほど難しくなかったにもかかわらず、自分で何がわからないのかさえ説明できない者もおり、ノートを書き写し、教師がいったとおりにすればよいという授業に対する受身の姿勢を変えさせる必要がある。


【第7回】

1999.11.24

情報処理(建築学科)(速報7?11.18)

■授業(演習)の概要

1.Microsoftネットワーク接続によって出席票をオンライン提出させた。

2.出題した課題についてプリンターを用いて印刷させたのち提出させた。

3.課題のデジタルデータをネットワーク上の出席票を提出したフォルダ内にkadai1118のフォルダを作成して必要なファイルのみ提出する。(余分なファイルまでコピーした者は提出と見なさない)

4.Ms-ExcelとMs-Word間のカット・アンド・ペーストの仕方を再確認した。(Print Screenキーを用いてレポートを作成している者を見つけたため。)

5.地震動が建物に与える影響に関する応答スペクトルの考え方をレクチャーした。

6.以下の課題を出題した。A4判1枚でレポートする宿題とした。(今週ノートパソコンを持ちかえる者のみ)「1995年兵庫県南部地震、神戸海洋気象台N?S方向成分加速度について、相対変位、相対速度、絶対加速度に関する応答スペクトルを描き、建物の高さによる地震動の影響の差違について述べよ。」

 

■地震動が建物に与える影響を応答スペクトルで評価する。

1.建物の粘性減衰定数hは、構造種別によってほぼ決定され、おおよそ、S造で0.02、RC造で0.05、制震構造なら0.10?0.20程度である。

  建物のM:質量[kgf・s*s/cm]、C:粘性減衰係数[kgf・s/cm]、k:剛性[kgf/cm]とT0:固有周期[s]、h:粘性減衰定数(臨界減衰比)[単位なし]の関係は、

  T0=2π*√(M/k) h=C/2*√(M*k)である。

  つまり、M,k,Cの比が重要である

2.まず、建物の構造を決定する。h=0.02,0.05,0.10を順番にあてはめてみる。

建物の質量Mを決定する。(計算結果には影響しない)

3.T0?Tnを決定する。T0は0.1[s](つまり1階建て)、Tnは10.0[s](つまり100階建て位を想定し、この間を何分割するかを決定する。(32分割程度を目安として示した)

4.M,h,T0?Tnから、上記の2式を用いて、C0?Cn,k0?kn(各n個)を決定する。

5.(M,Ck,kk)の組み合わせに対して応答計算を行い、絶対値の最大値を求める。(d0=v0=0)

6.応答スペクトルをプロットし、hや Tの変化によってどのような影響があるかを分析する。

d|max:相対変位[cm]、|v|max:相対速度[cm/s]、

|a+aG|max絶対加速度[cm/s/s]

使用する関数について、√は=SQRT()、絶対値は=ABS()

 

なお、グラフを読みやすくするために、x軸のT0[ s]を対数軸としたうえで、さらにプロットするデータが等間隔となるように軸の変形を試みる。対数軸上でTE?Tsをn個に等分割するT0(=Ts),T1,T2,…Tk,…Tn(=TE)の第k番目の点を求めると、

   log10(Tk)=log10(Ts)+[log10(TE)?log10(Ts)]*(k/n)

        =log10(Ts)+log10(TE/Ts)^(k/n)

        =log10(Ts)*(TE/Ts)^(k/n)

   ∴ Tk=Ts*(TE/Ts)^(k/n)

を利用して、x軸を表現する。

 

■今週の感想

1.MS-Excelのセルにどのような数式を入力して効率よく計算を行って表現するかよりも、数値解析の時点で自分で考えようとせず何をやるのかがお手上げになっている者がいる。

2.コンピュータウイルスに感染したパソコンが発見され(提出された課題のデジタルデータにより判明)、パソコンを初期状態に戻す作業を行った。良い機会なのでウイルス感染ルートなどについて説明を行った。

3.次週からはネットワークや電子メールについて授業(演習)を行うことを予告した。


【第8回】

1999.11.29

情報処理(建築学科)(速報8?11.25)

■授業(演習)の概要

1.Microsoftネットワーク接続によって出席票をオンライン提出させた。

2.課題についてプリンタを用いて印刷させたのち提出させた。

3.課題のデジタルデータをネットワーク上の出席票を提出したフォルダ内にkadai1125のフォルダを作成して必要なファイルのみ提出させた。(余分なファイルまでコピーした者は提出と見なさない)

4.外部のURLを見に行くためにプロキシを設定し直した。船橋校舎のどこかのプロキシサーバを利用(133.43.120.142/ポート8080)させてもらい、インターネットに接続できるようにした。

5.インターネットの概要をレクチャーし、実際にサーチページなどを試した。

6.コンピュータで何ができるのかを卒業制作の作品紹介を通じて行った。発表者は大学院生田嶋和樹君「構造解析法自習システム」と4年生6225番長井倫君「振り子式外壁制振構造」であり、ほぼ30分で簡潔に行った。

7.文部省の工学視学委員会実施視察を3時限目に3分間ほど受けた。

 

■インターネットの概要についてのレクチャー

1.用語の説明

 1)LAN:Local Area Network(「多対多」による情報をやり取りする線)

 2)PC:Personal Computer(クライアントになる)

 3)SV:Server(ファイルサーバ、ホームページサーバ、プリンタサーバ、メールサーバなど)

 4)Routerを界して通信回線により接続する=WAN:Wide Area Network

 5)Ethernet接続(10Base-Tなどのケーブルによる)とPPP接続(Modemを界して電話回線利用による)

2.インターネットに接続するために

 1)プロトコル(通信規約、言語)はTCP/Iである。

 2)各機器(PC、SVともに)には世界中でユニークで唯一の16進数8桁(32bit)の番号(住所に相当)である、IPアドレスが必要である。

 3)IPアドレスは32bitM≒43億個しかない有限の資産である。

 4)IPアドレスの別名としてSVには

     URL(Uniform Resource Locator)がある。

 5)駿河台校舎建築学科のメールサーバのIPは133.43.101.131、ホームページサーバのIPは133.43.101.133で =URLはwww.arch.cst.nihon-u.ac.jpである。

3.インターネットの便利さと情報が悪用される危険性(セキュリティ)について、注意を行った。

4.URLの付け方として、http://www.arch.cst.nihon-u.ac.jp

                         ~~~~~~~~   ~~~~ ~~~ ~~~~~~~ ~~ ~~

                      決まっている 建築 理工 日大 学術機関 日本

のように後ろから読めば場所が限定されていくことをレクチャーし.co.jp、.ne.jp、.go.jp、.comなどがどのような機関に付けられるかをレクチャーした。

5.winipcfgにより必ずIPを返還して電源をおとすように指示した。

 

■ 今週の感想

1.インターネットに接続する危険性やボランティアによる運営についてかなり多くの時間をとってレクチャーした。このような基本を理解してくれればPCの利用のモラルも向上するものと期待される。

2.久しぶりに課題もなくホームページの閲覧など学生にとっても気楽な授業(演習)となったようだ。


【第9回】

1999.12.3

情報処理(建築学科)(速報9?12.2)

■授業(演習)の概要

1.Microsoftネットワーク接続によって出席票をオンライン提出させた。

2.自分の好きなホームページを3つ探し、そのURLと好きな理由を控えさせた。

3.今後のスケジュールを発表した

 1)自分のホームページを作る

  12/2 自分のPC上にホームページを作る

  12/9 MS-WordやMS-Power Pointとの連帯によって作る

  12/16 建築学科HTTPサーバに転送して世界に公開する

 2) 冬休みの宿題として、PC上の自分のホームページのメンテナンスを行う。(ペアで1作品を作成)

 3) 電子メールとその利用

  1/13 電子メールの概要とアカウントの配布/ホームページの提出

  1/20 電子メールを使ってみる

4.ホームページに関するレクチャーを行った。

5.HTML(Hyper Text Markup Language)に関するレクチャーを行った。

6.次週までにPC上に自分のオリジナルホームページを作ってみるという課題を出題した。

 

■ホームページに関するレクチャー

1.Internet ExplorerやNetscape Navigatorなどのブラウザ(無料で配布されているファイルを見るソフト)で見ることができる、他人のコンピュータ上のリソース(ファイル)である

2.HTML言語で記述されたプレーンテキスト(書式や特殊な記号などを含まないファイル形式)で作成されている

3.書式制御や画像、音の制御はタグで行う

4.ファイル名は?.HTMLである

5.メインページ(最初に開かれるページ)は通常INDEX.HTMLと名付けられる

 

HTMLに関するレクチャー

1.基本仕様は以下のとおり

  <HTML>

  <HEAD>

     ヘッダー部:タイトルや背景色を定義する

  </HEAD>

  <BODY>

     本体部:表示したい内容を書く

  </BODY>

  </HTML>

2.タグについて

 1)タグは半角大文字で記述する

2)基本的には2つのタグで囲まれた部分(<?>?</?>)のみ、ホームページ上で指定された表示方法となる。ただし、<BR>など単独で使われるものもいくつかある。

3)タグを示す記号「<」「>」は、「<」は「始め山カッコ(レフトアングルブラケット)」「>」は「終わり山カッコ(ライトアングルブラケット)」と呼ぶ

4)よく使うタグ(必要に応じて図書館の本やホームページとして公開されている作品を参考にする)

ヘッダー部に記述  <TITLE>?</TITLE>:タイトルバーに表示されるタ

            イトルを表示する。漢字・かななどは使わない

本体部に記述  <BR>:文章の切れ目の強制改行(行間は空けずに表示)

                <P>:文書の切れ目の改段落(行間を空けて表示する)

                <CENTER>?</CENTER>:文章のセンタリング

        <H*>?</H*>:*は1?6の数字、文字のサイズを指定する

        <IMG SRC="*">:*はファイル名またはファイルがあるURL、画像を表示する画像の保存形式は?.gifまたは?.jpegのみ

        <A HREF="*">?</A>:*はファイル名またはファイルのあるURL、リンクする

        <OL>?</OL>:番号付きで箇条書きにする。箇条書きで表示する項目の頭に<LI>を付ける

        <UL>?</UL>:「・」付きで箇条書きにする。箇条書きで表示する項目の頭に<LI>を付ける

3.URLの相対パスについて

 1)「..」:ひとつ上のフォルダ

 2)「/」:子フォルダ

 3)「./」:自分のいるフォルダ

4.アプリケーションのメモ帳を用いてプレーンテキスト形式で、実際に自分のホームページをPC上に作成させ(INDEX.HTMLで保存)、好きなホームページ3つとリンクさせた上で、その理由を明記させた。(次週までの課題)

5.winipcfgにより必ずIPを返還して電源をおとすように指示した。

 

■今週の感想

1.実際にホームページができあがっていく様子に驚いている学生が多かった。

2.電子メールをやる予定であったが、セキュリティの問題などいくつか解決しなければならない問題が発生し、先に延ばした。


【第10回】

2000.1.28

情報処理(建築学科)(速報10?12.9)

■授業(演習)の概要

1.Microsoftネットワーク接続によって出席票をオンライン提出させた。

2.「自分のオリジナルホームページを作ってみるという課題」をV01フォルダごと提出させた。

3.ホームページ作成・公開の際の注意についてレクチャーを行った。

4.MS-WordやMS-Power Pointによってホームページを作成する方法をレクチャーした。

5.次週までにPC上にMS-WordやMS-Power Pointを用いたホームページを作成するという課題を出題した。

 

■ホームページ作成・公開の際の注意と作成方法

1.ツリー構造の理解をうながした。ホームページ公開の際、分かりやすいページ構成とするために、ひとつのページを1フォルダとすることを原則とし、フォルダ内でハイパーリンクを用いて相対パスによってページを構成する要素を分かりやすく表示することとした。

2.メインページをINDEX.HTMLとし、MS-Word(ワード形式)でページのイメージを作成し、「?.DOC」形式で保存するとともに、「?.HTML」形式でも保存する。

3.HTML形式で表示された画面をチェックしながらワード形式で保存されたファイルに修正を加え、「上書き」や「最新の情報に更新」を使ってアップデートしながら、イメージを詰めて行く作業を行った。

4.クリップアートからオブジェクト(絵)画面上に挿入し、HTML形式で表示できるかを確認した。ワード形式上で絵やワードアートとして貼りつけてある複数のオブジェクトは「図形の調整」によってグループ化したり、コピー後「形式を選択して貼りつけ」で図として貼りこむことで、HTML形式にした時に、「?.GIF」形式のファイルが自動的生成され表示されることを確認した。

5.なお、絵や写真を表示させる時は、ホームページを見る人の立場に立って、始めはできるだけ軽く(小さな絵や写真)表示させることが必要であることをレクチャーした。

6.絵や写真はPhoto Editorを用いて加工することができることをレクチャーした。

7.ホームページには所属や名前は入れるが、住所や電話番号などの個人情報は公開すると危険であることをレクチャーした。

8.なお、MS-Power Pointを用いて作成した画面は、「HTML形式で保存する」を選択すると、画面の分割などかなり高度な画面構成を行うこともレクチャーした。

 

■今週の感想

1.ホームページ内のハイパーリンクを用いて次々とページが連結されていく様子に驚いている学生が多かった。

2.ペアで1作品を仕上げていく課題のため、2人の協力が必要とされるが最近は授業の出席率が今ひとつのような気がする。


【第11回】

2000.1.28

情報処理(建築学科)(速報11?12.16)

■授業(演習)の概要

1.Microsoftネットワーク接続によって出席票をオンライン提出させた。

2.「MS-WordやMS-Power Pointを用いたホームページを作ってみるという課題」をV02フォルダごと提出させた。

3.FTPツールをネットワーク経由で各自のパソコンにコピー・設定させた。

4.建築学科メインコンピュータ(駿河台校舎 594室)の利用権をあたえるIDを発行した。あわせて管理責任に関して厳しくレクチャーを行った。

5.メインコンピュータ上の各自のホームディレクトリにホームページ公開用の領域を確保させた。

6.冬休みの課題としてペアでひとつのホームページを作成するという課題を出題した。

 

■FTPツールのコピーと設定

1.http://www2.biglobe.ne.jp/~sota/で公開されているFFFTP(フリーソフト)をあらかじめ1211教室に準備したサーバにダウンロードし、学生に各自のパソコンにコピーさせた。

2.サーバ上の\FFFTP-1_75.EXEを各自のパソコンのC:\のコピーさせ、ダブルクリックで解凍してFFFTPフォルダを作成し、FTPツールを簡単に起動できるようディスクトップ上にショートカットを作成した。

3.FFFTPでは新規ホストを設定し(ホストの設定名 arch main、ホスト名133.43.101.133(virgo))、学生各人のIDとパスワードによってホームディレクトリに接続させた。

 

IDの発行と管理責任に関するレクチャー

1.学生証を提示させ、IDと初期パスワードを発行。

2.初期パスワードの変更

・スタート→プログラム→MS-DOSプロンプト

C:\WINDOWS>でTELNET virgo.arch.cst.nihon-u.ac.jpを入力

Login:ID入力(学生のIDはgr9****、****は学生番号)

Password:初期パスワード入力

%nispasswdと入力(パスワード変更のコマンドです)

Enter login password:初期パスワード入力

New password:新パスワード入力

Re-enter password:新パスワード再入力

Exit(TELNETの終了)

C:\WINDWS>exit(MS-DOSプロンプトの終了)

・以上の過程を経てパスワードを書く個人のオリジナルのものに変更させた。TELNETによって建築学科のメインコンピュータに接続したこと、メインコンピュータのOSはUNIXであるためキー入力によるアルファベットの大文字と小文字の区別をすること。新パスワードは、ハッキング防止という観点から、全部で8文字、かつ、2文字以上の数字または記号を含むものでなければならない事をレクチャーした。

 

3.ID取扱いの注意を厳重に行った

・利用権は管理責任を伴うこと

IDを盗まれたら自己責任であり、被害がほかに及んだ場合には責任をとってもらうことをあわせてレクチャーした。

・自分個人のIDが盗まれた場合にも他人に迷惑をかける可能性がある

・卒業までおなじIDを使用するので大切にすること

・パスワード忘れや新規取得には駿河台校舎 594室で初心者講習会(3?4時間)を受講する必要がある。

 

■ホームページ公開領域の作成

1.学生個々のホームディレクトリ(http://www.arch.cst.nihon-u.ac.jp/~ID)下にpublic_htmlフォルダを作成する。

2.Public_html内にホームページ関連のすべてのファイルをコピーし、メインページをindex.html(必ず小文字)で作成しておくことで自動的に全世界に公開される。

なお、その際のURLはhttp://www.arch.cst.nihon-u.ac.jp/~[ID]である。

 

■今週の感想

1.学生達はホームページの製作など、クリエイティブな作業に関しては非常に熱心に取り組む姿が見られる。

2.IDを取得するための責任に対してかなり厳しくレクチャーしたが、気軽に考えている学生も若干見られたようで、今後の管理等で注意する必要がある。


【第12回】

2000.1.28

情報処理(建築学科)(速報12?1.13)

■授業(演習)の概要

1.FTPツールを用いて、冬休みの課題(ペアでひとつのホームページを作成する)をオンライン提出させた。

2.電子メールの概要と利用についてレクチャーを行い、各自のパソコンに電子メールソフトをコピー・設定させた。

3.電子メールを用いて出席票を提出させた。

4.次週は貸与したパソコンを回収する旨を伝達し、返納書を配布するとともに貸与したすべての機器や付属品を忘れないよう注意をうながした。

 

■ホームページの提出と公開

1.FFFTPを用いて、ユーザ名niiya004にログインし、建築学科、メインコンピュータのvirgoに接続する。

2.Niiya004フォルダのpublic_htmlフォルダ内に各ペアの学生番号からなるフォルダ(++++and****:++++、****は学生番号)を作成する。

3.作成したフォルダ直下に作成してきたホームページに関連するすべてのファイルをコピーする。なお、この際トップページとしてindex.html(半角小文字)ファイルがあることを確認する。提出した課題が正確に公開されているかを確認する。アドレスはhttp://www.arch.cst.nihon-u.ac.jp/~niiya004/++++and****/index.html

 

■電子メールに関するレクチャーと設定

1.教室(船橋校舎1211教室LAN)と駿河台校舎建築学科LANおよび建築学科メールサーバ(virgo.arch.cst.nihon-u.ac.jp、IP=133.43.101.133)がインターネットを通して接続されており、各LANにつながっているパソコン(PC)がポストの役割、メールサーバが郵便局の役割を果たすことを、電子メールの理解しやすい概念としてレクチャーした。

2.電子メールは便利な機能として、海外、国内ともに無料で使用でき、しかもすばやく送信できる。同時に複数のあて先に送信できることをレクチャーした。

3.巨大な容量のメールはマナー違反であることを注意した。

4.各パソコンの各自のHD使用領域のなかにメールツール「どこでも読めーらVer.2.21I」をコピーさせた。

5.メールツールの環境設定

 ・受信環境?環境名:virgo、POPサーバ:133.43.101.133、アカウント:各自のID

 ・送信環境?環境名:virgo、SMTPサーバ:133.43.101.133、送信者名:ローマ字で氏名を記入、

メールアドレス:各自のID@arch.cst.nihon-u.ac.jp

6.メールツールの使用

 ・近くの友人宛にメールを送信する練習を行った。

 ・送信先と表題(subject)の書き方についてのルール説明。

 ・メールを送信する際は自分宛にも同時に送るようレクチャーした。

 

■出席票の提出

1.niiya004@arch.cst.nihon-u.ac.jp へ電子メールによって出席票(これまでテキスト形式で提出していたものと同じ内容)を提出させた。なお、各自のホームページのアドレスも記入させた。

http://www.arch.cst.nihon-u.ac.jp/~niiya004/++++and****/index.html

←このindex.htmlを別のファイル名とした学生が多かったために救済措置として、トップページのアドレスを記入させた。

 

■今週の感想

1.IDを取得していない学生も何名かおり、初心者講習を受講するよう指導した。

2.ホームページはかなりの力作も含まれており、このようなクリエイティブな課題に関しては興味を持って取り組まれるようだ。


【第13回】

2000.1.25

情報処理(建築学科)(速報13?1.20)

■授業(演習)の概要

1.電子メールを用いて出席票を提出させた。なおその際、情報教育やコンピュータ教育環境に関する簡単なアンケートを記入の上、提出させた。

2.先週配布・設定を行ったメールツールを各自が持参したFDにコピーさせた。このFDがあれば、建築学科のネットワークに接続されているパソコンにおいて自由に電子メールが受発信できることを伝達した。

3.貸与したパソコンを初期状態に戻すリカバリCDを配布し(教務課より70枚を借用)、パソコンのCD?ROMドライブにセット、起動させ、すべてのパソコンを初期状態に復帰させた。(初期状態に戻すには、操作方法の説明も含めると40?50分程度の時間を要した)

4.貸与したパソコンの回収にあたり、貸与時からの紛失物、不具合などのチェックを行い、返納書を2通(1通はパソコンの箱内・教務課扱い)作成させ、1通を建築学科用として回収した。

5.各自が学生書とともに箱詰めしたパソコン(赤外線アンテナ・ノードを含む)を持って、倉庫に返却し、貸与PCの消印を学生書に受けた。

 

■今週の感想

1.電子メール活用の重要性について、認識していない学生も若干見られた。演習時間が十分にとれなかったこともあるが、今後、多くの授業の提出や質疑応答に活用できることが望ましいと考えられる。なお、建築学科のホームページには各教員の電子メールアドレスが記入してあるため、電子メールツールを活用できる学生からは問い合わせや質問がある可能性もあります。

2.貸与したパソコンの返却にあたり、貸与時には何も紛失しないよう、不具合が生じないよう厳重に言い渡しており、先週も返却物を忘れないよう注意をうながしたにも関わらず、不都合が生じる学生も見られた。多くの学生は「貸与」の意味を理解し、適切な活用に努めたのに対して、一部のいいかげんな学生のために建築学科全体のレベルを下げるような雰囲気もあった。

3.多くの学科では返却にあたってのチェックを教務課任せにしているようだ。建築学科ではパソコン1台1台の不具合の程度や倉庫での返却にあたってもきちんと教員の立会いと協力を行っており、建築学科が返却したパソコンに付いては、次年度これらのパソコンが貸与された際に不具合がそこで発見される危険性は極めて低いものの、他学科が返却したものに関しては中身の不揃いや不具合が懸念される。

 

■担当教員の年間を通じての感想

○新谷先生

本年度は新しいカリキュラムになって2年目であり、昨年度の経験と反省点とを生かして、より円滑な授業運営ができた。その結果、教授した内容も昨年度より高度かつ広範囲に渡り、パーソナル・コンピュータやインターネットの基礎知識としては、ほぼ網羅できたと思う。しかし、授業期間中には、ネットワークが不調になった時期があり、予定していた授業内容の変更を余儀なくされた場面もあり、その影響で、少し高度過ぎる内容のテーマを扱ったり、あるいは、教授する内容の順序を急遽入れ替えたりといった対処が必要であった。

本年度の授業内容の特徴のひとつは、前期中にワープロ・ソフトMS-WORDとプレゼンテーション・ソフトMS-PowerPointとの両者を教授した事、また、夏休みの課題として3次元モデリング・ソフトAC-3Dを扱った事である。これらの内容が前期及び夏休み中に終了できた為に、建築基礎実験の振動の授業などでは、これらを駆使したプレゼンテーションを学生が展開し、大変面白い授業が可能であった。これは、建築学科のカリキュラムとして低学年時に情報処理教育を集め、集中的に学習させた事に対する教育効果の現れであると考えられる。

新カリキュラムで学んだ学生は、来年度3年生になりますので、専門の授業を担当されている先生方には、こういった教育効果を利用して頂き、授業の中に取り込んでより大きな教育効果を得られるようにして頂きたいとお願いする次第です。

○森泉先生

授業の内容・方法等を含め,全体的には確実にレベルアップした1年間だと思います。今後の課題としては,

OFFICE系アプリケーションの習得は簡単にこなせるのにファイル操作は中々上達しない学生がまだ多い。前年度から引き続いての問題であり,何かよい方法を考えなくては・・・

・最終課題として行ったe-mailだが,2年次以降のことを考えると学科としてWEB利用のe-mail環境を整備する必要性を感じた。

 例えば,http://www.nurs.or.jp/~siizuka/ のようなCGIアプリケーションの整備。

○山田先生

ビジュアル系の課題、パワーポイントを用いたプレゼン、3次元CADによるモデリング、ホームページの作成などについては、学生も随分興味を示し、積極的であったように思うが、エクセルを使った課題では、内容が構造系にかたよってしまい、学生にも戸惑いが見られたようであった。これは、少し改善すべき点ではないかと思います。例えば、計画系の先生方から“こんなことをやってほしい”とか“こういうことを教えてくれれば、2年次、3年次での授業において幅が広がるのに”といった要望を出してもらうとさらに充実した授業になるのではないでしょうか。