平成11年1月30日

 

 以下は日本大学理工学部建築学科1年次に設置されている、演習科目「情報処理」の毎週の演習概要を、建築学科教員に向けて報告として発信した「情報処理の毎週の状況報告」を取りまとめたものです。

 

【第1回】

1998.9.28

情報処理(建築学科)(速報1?9.24)

 

1.授業(演習)概要

1)前期「コンピュータリテラシ」に引き続き、新谷、宇於﨑、橋本、森泉の教員4名とT.A.4名によりコンピュータの実習を主体に授業(演習)を行う。

2)後期「情報処理」となって受講をやめる者がいなかったため、前期と同じペア、同じ運用にてノートパソコンを利用することとした。

3)授業(演習)開始時には電源ケーブル、LANカード・ケーブルが接続されている状況となるよう指示した。ただし、1時限目はネットワークの調子が悪くほとんどのノートパソコンがネットワークに接続できなかった。(今回は全クラス出席票によって出席を確認した。)

4)シラバスを配布したが、日程・内容等に誤りが見られたので板書および口頭で本授業(演習)の概要を説明した。

5)後期「情報処理」ではMS-Excelの習得とMS-Power Pointの習得を主眼とする。

6)10月8日提出の第1課題を出題。

 

2.第1課題の内容

『地震を見る』:「1995年兵庫県南部地震」におけるJR鷹取駅での地表の動き(加速度、速度、変位)を求め、その正当性について検討せよ。

→約40秒間にわたって0.01秒ごとの加速度をデータとして与え、数値積分によって速度、変位を表計算させ、それぞれのグラフを描く。さらにそのグラフについてのコメントを求める課題。積分はMS-Excelのセルに「台形則」による面積計算を行い近似値を求める。

 

3.今週の困ったちゃん?

1)夏休み中に自宅(下宿ではない)に泥棒に入られノートパソコンを持っていかれた。(その他にも被害があったようです)

2)夏休み中はノートパソコンの利用を学生の主体に任せたが、ほとんど利用されていなかったようで、既にネットワーク接続のためのwinipcfgやコピーの仕方すら忘れている学生が多く出た。

以上


【第2回】

1998.10.12

情報処理(建築学科)(速報2?10.8)

 

1.授業(演習)概要

1)授業(演習)開始時には電源ケーブル、LANカード・ケーブルが接続されている状況となるよう指示した。

2)前期、コンピュータリテラシの単位取得状況の説明を行った。320名中約260名が100点と採点され、300名程度はAランク以上となった。ここで合格点に満たない者、点数が低い者には注意をうながした。(課題の未提出などが多いことが点数を悪くしている)

3)第1課題の提出

ヘッダ(左寄せ)で学生番号と氏名。フッタ(中央)にページ番号/総ページ数を記入。[学生番号].docのファイル名で\\fs1222\public\19981008のフォルダ内にコピーさせた。

4)第1課題(『地震を見る』:「1995年兵庫県南部地震」におけるJR鷹取駅での地表の動き(加速度、速度、変位)を求め、その正当性について検討せよ。)における計算で速度や地盤変位が最終的にゼロにならない点に注目し、第2課題の一環としてその原因の解明と補正を試みた。

 

2.第1課題の提出状況

ファイル名の変更(拡張子を付け忘れてファイルを壊してしまうなども含む)や、ネットワークをとおしてのファイルのコピーなど基本的な操作が分からない者、課題で作成したファイルが30MBを超える者もおり、コンピュータの反応が遅い、ヘッダ・フッタの入力や本文を入力できない、さらにハードディスクが一杯で保存できないなどの状況に陥る者が多数でた。Ms-Excelからグラフをコピー、張り付ける際に「図」以外の形式でそのまま張り付けたために膨大なデータ量となっている。なお、ネットワークで指定フォルダにコピーさせたが、転送速度やデータ量の膨大さのためこの提出方法を断念せざるを得なかった。課題は次週に再度提出を行わせる。

(対策として受け手側のコンピュータのハードディスク強化を考えている。)

 

3.今週の演習と第2課題の概要

地震終了後の地盤速度がゼロにならないこと、地盤変位の最大値及び残留変位が過大なことに着目、計測データの補正からこれらの問題を解消することを目指して、

1)直流(DC)成分の除去としてデータとして与えられた加速度(南北、東西、上下方向のいずれかひとつのみ)からその平均値を減じた値をもとに計算値の補正を試みた。

2)近似1次関数(ゼロ軸が傾きを持っている可能性の検討)によるゼロ軸補正を説明し、第2課題(今週ノートパソコンを持ち帰る者を対象)として出題した。ベクトル式と行列式の数学的解法から近似1次関数の切片と傾きを求め、補正を行えるように説明を行ったが、行列式やその計算についてほとんどの学生が理解できないことが判明した。

 

4.今週の困ったちゃん?

1)平均値を求める方法をはじめ、誰か(主に教員やT.A.)がMs-Excel上での数式を教えてくれるものと考え、自分で思考したり努力したりという行動があまり見られなくなった。

2)ヘッダ・フッタの意味を認識していない、フォルダ内にデータが一杯で現在変更中のファイルが保存できないという意味が理解できない者も多数いた。(もともと今回の課題のファイルが大きすぎることが原因なのだが…)基本的な問題には自分たちで対処するよううながした。

3)近似1次関数の処理の際、ベクトルや行列が出てきた時点でお手上げの者も見られ、数式の変形については理解できても何のために行っているのか理解していない者、行列の数学的解法が全く不能な者などがおり、この説明にはもう少し時間が必要とも考えられる。

以上


【第3回】

1998.10.19

情報処理(建築学科)(速報3?10.15)

 

1.授業(演習)概要

1) 授業(演習)開始時には電源ケーブル、LANカード・ケーブルが接続されている状況となるよう指示した。

2) 第1課題の提出

ヘッダ(左寄せ)で学生番号と氏名。フッタ(中央)にページ番号/総ページ数を記入。[学生番号].docのファイル名で\\sv1222\sv-d\19981015のフォルダ内にコピーさせた。

3) 先週の時点で「行列」がほとんど理解できない状況を受けて、行列の基礎について若干の講義を行い、Ms-Excelでの行列計算方法(入力や計算式の概念)について解説を行った。

4) 第1課題(『地震を見る』:「1995年兵庫県南部地震」におけるJR鷹取駅での地表の動き(加速度、速度、変位)を求め、その正当性について検討せよ。)における計算で速度や地盤変位が最終的にゼロにならない点に注目し、第2課題では1次直線での近似(補正)を試みたが、第3課題では行列計算を用いて、n次(0?7次)曲線での補正を試みた。

 

2.第1課題の提出状況

先週同様、ファイル名の変更(相変わらず「拡張子」の意味を理解していないものもいる)や、ネットワークをとおしてのファイルのコピーなど基本的な操作が分からない者、課題で作成したファイルが30MB近い者もおり、コンピュータの処理速度が遅い、ヘッダ・フッタの入力や本文を入力できない、さらにハードディスクが一杯で保存できないなどの状況に陥る者が多数でた。Ms-Excelからグラフをコピー、張り付ける際に「図」以外の形式でそのまま張り付けたり、保存の際に高速保存で上書きをしていくために膨大なデータ量となっている。なお、先週問題となったネットワーク上の指定フォルダの容量不足を受け、デスクトップ・パソコン(sv1222)と6GBの外付けハードディスク2台を用意し、課題を提出させた。(デスクトップ・パソコンは駿河台校舎から自動車で運んだ。)

 

3.今週の演習と第2課題の概要

行列、ベクトル、転置行列、単位行列、逆行列、行列の和・差、行列の積の概念と求め方、連立方程式の行列による解法の講義を行った。第3課題では、データとして与えられた加速度(南北、東西、上下方向のいずれかひとつのみ)について、ゼロ軸を7,6,5,4,3,2,1,0次関数により補正し、数値積分で速度及び変位を求める。

転置行列A^T:TRANSPOSE(対象セル群)

逆行列A^?1:MINVERSE(対象セル群)

行列の積   :MMULT(対象セル群,対象セル群)

これらの関数を用いて計算すること、[Shift・Ctrl・Enter]を用いて数式を確定し、行列計算をさせる。

 

4.今週の困ったちゃん?

1)徐々に自分で思考したり努力したりという行動が見られなるつつある。演習中に指名して黒板で解法させることを試みたが積極性は全く見られない。

2)ファイル・フォルダに関する基本的な概念や拡張子、コピー、IPアドレスの取得に関することまで「コンピュータリテラシ」で行ったコンピュータの基本操作を全く忘れている者も出てきた。

3)ネットワーク上の指定フォルダ内に、課題を単純にコピーするだけ(学生番号のファイル名)の提出にも関わらず、ファイル名がおかしいもの(フォルダでの提出、大文字英数の使用、0000.doc.docなど)さまざまな、間違いをするケースがあり、データが10?20MBの者が多いため転送に多くの時間を要したりするケースが見られた。

以上


【第4回】

1998.10.26

情報処理(建築学科)(速報4?10.22)

 

1.授業(演習)概要

1)授業(演習)開始時には電源ケーブル、LANカード・ケーブルが接続されている状況となるよう指示した。最近はLANカードの破損、LANケーブルの断線などの障害が多く見られるため、チェックを行うとともに注意をうながした。

2)ノートパソコンの有効語長に関するレクチャーを行った。今回貸与のノートパソコンでは有効桁数は15桁。

3)第2課題を検討すると、15桁以上の計算(小数点以下2桁の数値の7乗の自乗=「?28乗」の足し算)が行われており計算は不能である。これはコンピュータの問題ではなく、ユーザーが理解した上で使用する必要がある。

4)コンピュータでは一定の桁数を超える演算は処理できないことをMs-Excelで実証した。

5)その計算方法としてフーリエ解析(=どのような波形でもsin( )、cos( )の足し算で計算、示すことができる。「工業数学」で教授済み)を導入し、第1課題(『地震を見る』:「1995年兵庫県南部地震」におけるJR鷹取駅での地表の動き(加速度、速度、変位)の補正を試みた。

 

2.フーリエ解析をMs-Excelを用いての方法

n/2   2kπ     2kπ

    χ(t)=Σ{ak cos------ t +bk sin------ t}

k=0   N*Dt      N*Dt

ただし、b0 = bN/2 = 0,a0 = a0/2 , aN/2 = (aN/2)/2

を用いて、計算。ただし、ak、bkの値はあらかじめ求めた定数を示し、フーリエ解析の有効性を示した。

 

3.今週の困ったちゃん?

1)後期になって授業やコンピュータに慣れるにしたがい、その扱いがぞんざいになってきているため注意をうながした。

2)他の科目の課題も重複しているためか、授業の出席者が減っている。また、他のクラスの授業に出席して自主的に補習を行うようなことも見られるようで、時間帯によって受講人数変動が大きくなってきた。

3)あいかわらず、IPアドレスの取得に関することなど「コンピュータリテラシ」で行ったコンピュータの基本操作を全く忘れている者も出てきた。

以上


【第5回】

1998.11.6

情報処理(建築学科)(速報5?10.29)

 

1.授業(演習)概要

1)授業(演習)開始時には電源ケーブル、LANカード・ケーブルが接続されている状況となるよう指示した。今週はネットワーク自体にはつながったものの、何らかの不都合により外部のインターネットへの接続はできなかった。

2)先週はak、bkの値をあらかじめ求めた定数を示しフーリエ逆変換を行ったが、通常のフーリエ変換を行う基礎として、三角関数の直交性やオイラーの定理を用いて式を変形し、とりあえず16個のデータ(0.00秒から0.15秒までの変化)を用いた行列式によるフーリエ係数の求め方とMs-Excelの分析ツールFFT(高速フーリエ変換)を用いたフーリエ係数の求め方のレクチャーを行った。(Ms-Excelのワークシート・サイズは65,536行×256列なので、行列式を用いての転置行列(今回のデータは0.01秒刻みで0.00秒?40.96秒の4096個あるので)は1枚のワークシートでは計算しきれないために、簡易な方法として分析ツールの利用法を紹介した。

3)先週の式を変形して

a0  N/2?1   2πk     2πk  a N/2  2π・(N/2)

 χ(m・Dt)=---- + Σ  {ak cos------m +bk sin------m}+---- cos---------m

2  k=1      N       N    2    N

 

    

 

N?1 qmi       2πk

χ(m・Dt)= Σ Cke       q=------

k=1            N

 

高速フーリエ変換ではak、bkのかわりにCkのみが求められる。Ckとak、bkの関係は

 

ak?ibk

      Ck = ----------  という複素数を含む数式で求められるので、

      ak=2*IMREAL( )/N    で実数部分のみを抽出

      bk=2*IMAGINARY( )/N で虚数部分のみを抽出     して ak、bkを確定する。

4)では0.00秒?40.96秒の4096個のデータではak、bkはどのように求められるか?今週の宿題。

 

3.今週の困ったちゃん?

1) 前期のコンピュータリテラシの演習を忘れ去り、コンピュータの操作を全く忘れている者や自主的にMs-Excelで解法するための計算式を考えることができない者が増えてきた。

2) 授業の出席者が目立って減っている。特に1時限目、4時限目の出席者が減った。

以上


【第6回】

1998.11.11

情報処理(建築学科)(速報6?11.5)

 

1.授業(演習)概要

1)授業(演習)開始時には電源ケーブル、LANカード・ケーブルが接続されている状況となるよう指示した。今週はほとんどのノートパソコンがIPアドレスを取得できず、ネットワークにつなぐことはできなかった。サーバの不都合と考えられる(管理者に連絡し調査依頼済み)。

2)これまで行ってきた地震波の解析に関するMs-Excelの利用・分析をふまえて、課題を出題した。提出日は11月19日(木)または26日(木)を指定した(デザイン基礎の提出がこの前後にあるので、柔軟に対応)。明らかにファイルのコピーと分かるものについては減点を行う。

3)先週の復習として、再度Ms-Excelの分析ツールFFT(高速フーリエ変換)を用いたフーリエ係数の求め方のレクチャーを行った。

A0 N/2?1       m        m A N/2         m

 χ(m・Dt)=---- + Σ  {Ak cos2πk --- +Bk sin2πk---}+----- cos2π・(N/2) ----

2   k=1        N        N   2         N

 

    

N?1 i2πk・m/N             Ak?iBk

χ(m・Dt)= Σ Cke                 Ck = ----------

k=1                        2

 

      Ak=2*IMREAL( )/N    で実数部分のみを抽出

      Bk=2*IMAGINARY( )/N で虚数部分のみを抽出     して Ak、Bkを確定する。

  ここで与えられた変数(地震波の加速度)に比べて、Ak、Bkあわせて2倍の定数が求められたかのように(FFTにより変数と同個数のCkが求められ、Ckの実数部分(Ak)と虚数部分(Bk)をそれぞれ抽出しているために、結果的に求められた定数の個数は2倍になる)錯覚するが、実はN/2番目をはさんでその上下が同一の周期を示しており、Ckが共役複素数の関係にあることを注意した。

4)FFTにより求められたCkと周期(T)、円振動数(ω)の関係を示し、フィルタリングの有効性、積分の求め方のレクチャーを行った。

5)これらの手法を用いて課題に取り組むよう指示した。なお、複素数を含む式の計算にあたって次のコマンドを用いることを示した。

掛け算:IMPRODUCT(  ,  ) 、 割り算:IMDIV(  , 

複素数の定数の示し方:COMPLEX(Re,Im,"i") Re:実数部分の定数,Im:虚数部分の定数

 

2.課題概要

1995年兵庫県南部地震におけるJR鷹取駅地表面での3次元合成された加速度、速度、変位の最大値およびその発生時刻と方向(方位角と傾斜角)を求めたい。波形補正法および積分法を中心として解析方法を述べよ。

注:N?S方向は北向きが正、E?W方向は東向きが正、U?D方向は上向きが正方位角の表現は「N△△△E」とし、「北から東方向に△△△度」傾いていることを示す。

書式:A4判縦使い、5頁以内、余白は上下左右ともに25mm、ヘッタ・フッタ位置は頁の端から15mm、ヘッタは右寄せで学生番号,氏名を記入、フッタは中央揃え、頁番号/総頁数を記入する

 

3.今週の感想

1)自主的にMs-Excelで解法するための計算式を考えることができない者が増えてきた一方、休み時間(空き時間の2時限目や昼休み、放課後など)にT.A.に対して積極的に質問し、できる限り理解度を深めようとする者も徐々に増えている。

2)授業の出席者は受講者名簿記載人数より若干少なめ(概ね6?7割り程度の出席)と思われる。

以上


【第7回】

1998.11.20

情報処理(建築学科)(速報7?11.12)

 

1.授業(演習)概要

1)授業(演習)開始時には電源ケーブル、LANカード・ケーブルが接続されている状況となるよう指示した。今週はネットワークに無事つながった。

2)本日からMicrosoft Power Pointを利用してもプレゼンテーション資料(スライドショー)の作成とプレゼンテーション実技の演習を開始した。

3)まず、卒業制作のアニメーション作品(5303番、山嵜貞弘君作成「病院の免震改修及びリニューアル」)を30分程度でプレゼンテーションを行い、コンピュータを用いてどのようなことができるかを公開した。

4)Microsoft Power Pointの基本的な使い方のレクチャーを行った。何人かでわかりやすいマニュアルの購入やともかくいろいろと使ってみることなどを指示し、細かい操作法にまでは触れなかった。

 

2.Microsoft Power Pointレクチャーの概要

インスタントウイザードの利用、アウトライン表示、スライド表示による文字、図表の入力や変更の仕方、アニメーションの設定、サウンドの挿入などを説明した。なお、インストールされているサウンドレコーダは60秒以内で音の操作等も限られているため、YAMAHAのフリーランス・ソフト(ウェーブエディターTWE)を配布し、利用可能とした。

課題は「My Favorite」とし、各人が得意なまたは好きなことを紹介(各人3?5分)してもらうので、次週までに絵コンテの作成と素材(さまざまな情報や絵、写真など)の収集を行っておくように指示した。ただし、出版・発売されている印刷物やCDを個人の利用を超えて使うことは、著作権の侵害になり、他人を撮影した写真を無断使用すると肖像権の侵害になることなどの注意も行った。

次週からの演習は1クラスを4グループ程度に分割し、教員・T.A.による個別指導・プレゼンテーションを行いながら自習を主体にして行う予定。

 

3.今週の感想

1)今週は大部分の学生が授業に集中できたよう。これは具体的な卒業制作のアニメーションを見ての感動したり、自分たちで作ったMicrosoft Power Pointがアニメーションの設定で動いたり、音が出たりするのに興味を覚えたためと考えられる。

2)放課後に先週出題の課題について全く手をつけられない学生を対象にレクチャーを行った。

以上


【第8回】

1998.11.27

情報処理(建築学科)(速報8?11.19)

 

1.授業(演習)概要

1)授業(演習)開始時には電源ケーブル、LANカード・ケーブルが接続されている状況となるよう指示した。

2)課題の提出をうながした。なお、今週はプリンターの用意が間に合わなかったため、ファイルの提出としたが、A組6名、C組1名の提出のみであった。

3)卒業制作のアニメーション作品(5191番、田嶋和樹君作成「構造解析法自習システムの開発」)を20分程度でプレゼンテーションを行い、コンピュータを用いてどのようなことができるか、構造力学の解法、JAVA言語の有用性などを公開した。

4)Microsoft Power Pointを用いた作品を例として示し、

My Favorite」の作品として要求するレベルを示した。(宇於崎、不動産科学専攻M8010番岩松君、T.A.魚津君、T.A.大庭君、構造計画研究所プレゼンテーション用の各作品)を約30分で公開した。

5)今週までに考えておくこととした絵コンテの確認と個別指導を教員、T.A.が分担して行った。インターネットから画像のダウンロードの方法やサウンドの入力・Microsoft Power Pointへの貼り付け方法などの質問が出た。

 

2.個別指導の概要

ダウンロードの仕方や貼り付け方法の質問が多かった。具体的な絵コンテでは個性的な作品が期待できそうである。次週はスキャナやデジタルカメラを用意し、学生が収集・用意した素材やその場で撮影した画像の取り込みを行えるようにする予定。

 

3.今週の感想

1)翌日(20日)に行われるデザイン基礎の課題提出のためか出席者がかなり少ない状況が見られた。

2)Microsoft Power Pointについて全く手が付けられない学生がみられ、先週欠席した者や先週の話しを聞いていなかった者がいることが明らかとなった。

 

4.その他

11月19日の昼休みにコンピュータリテラシ担当者による次年度への要望を提出する会議が開催されました。次年度は1350台のコンピュータをリースによって確保し、1年生全員に年間を通してコンピュータを貸与できる環境を作るようです。

建築学科として、コンピュータリテラシ担当者から電源・情報コンセントの各机への整備による教員、T.A.の作業量の軽減、入出力センターの整備、放課後も学生がネットワークを利用できる環境の整備(コンピュータ各台にLANカードを付属して貸与することも含めて)、教室脇にサーバなどを保管するロッカーの設置、授業時にリアルタイムに技術的サポートを受けられるサポート要因の配置などを要望いたしました。この記録をもとにコンピュータリテラシ教育準備委員会委員長の古賀先生、船橋校舎教務課の片桐さんを通じて、多くの先生からの意見の収集が行われると考えられます。

以上


【第9回】

1998.12.1

情報処理(建築学科)(速報9?11.26)

 

1.授業(演習)概要

1)授業(演習)開始時には電源ケーブル、LANカード・ケーブルが接続されている状況となるよう指示した。

2)課題を提出させた。プリンター(EPSON MJ-520C)を20台用意し、まずネットワークを通じてプリンタードライバ(\\sv1222\sv-d\epson\setup.exeのダブルクリック)をインストールし、個々のノートパソコンにローカルプリンタとしてパラレル接続し印刷した。各机に順にプリンターを回し順次印刷を行った。

3)スピーカーを用意のうえ、卒業制作の「音響シミュレーションによる作品」(5201番、坪井智子さん作成「feel mind?ともにゆれよう?」<http;//www.arch.cst.nihon-u.ac.jp/~gr95201>)を20分程度でプレゼンテーションを行い、コンピュータを用いてどのようなことができるか、音環境の楽しさなどを公開した。

4)Microsoft Power Pointの作品として、画像データを必要とする者を対象に画像のスキャニングを指導した。スキャナ(Canon CanoScan FB320P)を10台用意し、スキャナドライバのインストール、個々のノートパソコンにパラレル接続して画像の読み込みを行った。ただし、スキャナの画像取り込みには若干の慣れとコツが必要となるため、実際には教員・T.A.が機器を取り扱った。

5)各自「My Favorite」の作品を進めるよう指示した。次週は中間チェックを行う旨を伝達した。

 

2.今週の感想

1)課題の提出はカラープリンターで印刷させたため、課題の色使いにより1人あたりのプリンター使用時間が5?10分程度とばらつきも大きく、20台用意したものの全員に回るまでにかなりの時間を要したため、昼休みや放課後も時間を延長して対応した。なお、3時間目以降は印刷用紙(コピー用紙)にあわせて印刷品質をドラフトに変更し、色補正を行わない状態で印刷した。

2)Microsoft Power Pointの作品において絵コンテを進めておくように指示しているが、本日提出の地震波の解析の課題作成等に追われているようでなかなか進んでいない。画像データのスキャニングに関してもほとんどの学生はまだ考えていない状況にあるようだ。

3)課題提出日に指定していたため出席率はほぼ100%となり、久しぶりに満席となった。

 

3.今週の困ったちゃん&その他

1)課題の提出にのみ気をとられ、教員の話しを聞いていないままとりあえず挙手して授業の進行を混乱させる者や、ノートパソコンを片付ける際にあわててLANカードまでも持ち帰る者などが出るなど、授業やノートパソコンに慣れるにしたがって随所に甘えが見え始めた。

2)ローカルプリンタを貸し出したにもかかわらず、ノートパソコンとケーブルを接続せずに印刷しようとする者や、用紙をセットせずに印刷しようとした者など、自分たちが何を求められ何をやっているのかを理解していない者もいる。

3)本日提出の課題をまったくやってこず、授業時間や休み時間を利用して友人に助けてもらおうとする者などもみられたが、とうていわずかな時間で対応できる課題でもなく、提出された課題は入念に検討されているものから、わずか1枚程度のものまでかなりバラエティに富んだものとなった。

以上


【第10回】

1998.12.7

情報処理(建築学科)(速報10?12.3)

 

1.授業(演習)概要

1)授業(演習)開始時には電源ケーブル、LANカード・ケーブルが接続されている状況となるよう指示した。

2)先週の予告どおり、Microsoft Power Pointの作品の中間チェックを行い、画像データを必要とする者を対象に画像のスキャニングを指導した。スキャナ(Canon CanoScan FB320P)を5台用意し、個々のノートパソコンにパラレル接続して画像の読み込みを行った。ただし、スキャナの画像取り込みには若干のコツが必要なため、実際にはT.A.が機器を取り扱った。

3)各自「My Favorite」の作品をさらに進めるよう指示した。次週は第1回の発表及び採点を行う旨を伝達した。

 

2.中間チェックについて

1)1,3,4時限目の各時間に教室を4分割し、教員4名でそれぞれ約20名程度についてMicrosoft Power Pointのスライドショーにより確認した。

2)1名あたり5分程度のプレゼンテーションを目安に以下の判断基準で採点を行った。

S…完成している

A…ある程度の効果が付与されており、あと少しで完成

B…概要ができており、ストーリーはわかる

C…部分的にできている。数ページでもMicrosoft Power Pointのスライドショーになる

D…Microsoft Power Pointのスライドショーができない。または目次程度のみ

E…絵コンテすらない。

3)課題は「My Favorite」であるが、自分の好きなコトまたはモノを紹介するのみで、自分との関わりや自分の価値観、判断、意見をまったく入れていない作品が目立った。自分との関係やこだわりでまとめ直すように指示した。

4)中間チェックの段階で多く取り上げられていたのは、競馬、フォーミュラー1、自分(または自宅)のペットの紹介、自分の収集しているまたは好きなCD(アーティスト)の紹介、自分の好きな食べ物の作り方など。

5)Microsoft Power Pointのスライドショーに画像、文字のほかにCDから録音した音楽などをまとめるなど、こだわりを持った作品がある一方で適当に課題を仕上げればよいと考えているような作品もあり、習熟度にかなり差が見られるようになった。

 

3.今週の感想

1)スキャナによる画像取り込みを先週のみにする予定であったが、今週も学生の要望が強く、昼休み、放課後等も延長してスキャニングを行った。

2)学生は各自画像の取り込みに苦労しているが、12号館地下の電算室のインターネットを利用したHP画像のコピー、写真を撮影してPhotoCDとするもの、友人のスキャナによりデジタルデータ化するものなど多様である、全体的に作業が遅れがちと思われる。

3)課題のチェックにおいて、未熟な内容、スライドショーの展開を熟考せずに行き当たりばったりで作成しているようなものも見られ、プレゼンテーションにより他人に対して発表、納得してもらうことを考えていない作品も多くみられた。そのような作品でも採点をAまたはBランクとして評価して欲しいと発言するなど甘えが見えている。

以上


【第11回】

1998.12.16

情報処理(建築学科)(速報11?12.10)

 

1.授業(演習)概要

1)教室の机を並べ替え、四隅に4机づつを並べ1グループ最大16名(4机×4台)がプレゼンテーションを行える準備を行った。

2)授業(演習)開始時には電源ケーブルが接続され、Microsoft Power Pointによる課題がすぐに提示できるような状況となるよう指示した。

3)各グループのプレゼンテーション台数が均一になるよう調整し、G1?G4の4グループをつくり、G1グループでプレゼンテーションを行う学生(先週ノートパソコンを持ち帰り、課題を完成させた者)はその場に残り、ペアを組んでいるもう1人の学生はG3グループの採点に移る。G3のプレゼンテーションを行わない者はG1に移るというように、ペアの相手が対角線上のグループに移って採点を担当することとした。

4)各グループでは教員1名とプレゼンテーションを行う学生たち、対角線上のグループから移ってきた採点を担当する学生の全員で、グループ内のすべてのノートパソコンでスライドショーによるプレゼンテーション(1名あたり5分以内を指定)を見ながら全員がそれぞれ出席票に採点を行った。

5)採点はテーマ(テーマの面白さ)、技量(Microsoft Power Pointの機能を使いこなしているか)、効果(作者の意図が伝わったか)、努力(作品の制作に十分努力しているか)を各10点の合計40点満点で採点を行った。なお、最終的な得点は以下の式によって求めることを公表した。

得点=教員合計点×2.5×7/10+学生合計点平均×2.5×3/10+ボーナスA+ボーナスB

ボーナスA:教員合計点1位=+10点、2位=+9点、…10位=+1点、11位以下ゼロ

ボーナスB:各グループの代表作品として液晶プロジェクタを使って全員の前でプレゼンテーションを行ったもの+5点。なお代表作品は教室全体に見せる価値があるか否かを教員が判断

6)ノートパソコンの返却日程を発表した。最終の講義時間(平成11年1月14日)に貸与した状態に戻して(箱・付属品なども揃えて)返却すること、不都合があるものはそれまでに修理しておくことを指示した。

 

2.発表・採点について

1)採点方法の指示などで15分、各グループのプレゼンテーションの採点にほぼ60分を要し、教室全体の液晶プロジェクタによる発表が4名でほぼ20分かかり、1,3,4時限目の各時間とも若干ながら授業を延長することになった。

2)1名あたりの発表時間は5分程度を目安としたが、多くの学生はほぼ3分程度で発表が終わった。ただし、課題が「My Favorite」のため自分の世界に入り込んで10分近く発表するものもいた。

3)各人はそれぞれユニークなテーマ、凝ったプレゼンテーションにより課題をこなしており、ほぼ全員が満足できる仕上がりとなっていた。

4)テーマは自分の好きな歌手(グループ)の紹介、ペットの紹介、旅の思い出、自分の趣味やスポーツなど多様に見られた。また、先週指導を行った「自分の好きなコトまたはモノ」を紹介するだけでなく、自分との関係やこだわりの視点を取り入れて上手に描けるようになっていた。

5)学生の採点はほぼ偏りもなく満足できるものであった。

6)今週発表しなかったペアの相手は次週同様な方法で発表することとし、一層の努力を期待した。

 

3.今週の感想

1)音楽の録音・再生、画像の取り込み(スキャナやデジカメによる)、アニメーション(ひとつの画面での文字や画像の動き)も良く考えており、さらにシンクロさせるなど出来は全体にかなり良い。

2)画面を見ながら発表を行ったり、画面の小さな文字をそのまま読んで聞かせるようなプレゼンテーションもあったが、堂々と前を向いて原稿もなしに話せる者もかなりの割合でおり、そのまま論文発表会で使えるような発表も見られた。

以上


【第12回】

1998.12.18

情報処理(建築学科)(速報12?12.17)

 

1.授業(演習)概要

1)先週と同様に教室の机を並べ替え、四隅に4机づつを並べ1グループ最大16名(4机×4台)がプレゼンテーションを行える準備を行った。

2)授業(演習)開始時には電源ケーブルが接続され、Microsoft Power Pointによる課題がすぐに提示できるような状況となるよう指示した。

3)各グループのプレゼンテーション台数が均一になるよう調整し、G1?G4の4グループをつくり、先週同様の方法で各グループが教員1名とプレゼンテーションを行う学生たち、対角線上のグループから移ってきた採点を担当する学生の全員で、グループ内のすべてのノートパソコンでスライドショーによるプレゼンテーション(1名あたり5分以内を指定)を見ながら全員がそれぞれ出席票に採点を行った。

4)採点はテーマ(テーマの面白さ)、技量(Microsoft Power Pointの機能を使いこなしているか)、効果(作者の意図が伝わったか)、努力(作品の制作に十分努力しているか)を各10点の合計40点満点で採点を行った。なお、最終的な得点は以下の式によって求めることを公表した。

得点=教員合計点×2.5×7/10+学生合計点平均×2.5×3/10+ボーナス

A+ボーナスB

ボーナスA:教員合計点1位=+10点、2位=+9点、…10位=+1点、11位以下ゼロ

ボーナスB:各グループの代表作品として液晶プロジェクタを使って全員の前でプレゼンテーションを行ったもの+5点。なお代表作品は教室全体に見せる価値があるか否かを教員が判断したうえで抽出したため、代表作品が出ないグループもあった。

5)ノートパソコンの返却日程を再度確認した。最終の講義時間(平成11年1月14日)に貸与した状態に戻して(箱・付属品なども揃えて)返却すること、不都合があるものはそれまでに修理しておくことを指示した。なお、今回のMicrosoft Power Pointを用いたプレゼンテーション作品も当日デジタルデータで提出するよう指示した。

6)第1課題・第2課題の返却を行った。ただし、平均点が30点程度とかなり理解度が低いため、希望者には1月14日に再提出を行うよう指示した。なお、何らかの理由でこれらの課題を提出していない者は本日理由書を添えて提出するよう指示した。

 

2.発表・採点について

1)採点方法の指示などで15分、各グループのプレゼンテーションの採点にほぼ60分を要し、教室全体の液晶プロジェクタによる発表が4名でほぼ20分かかり、1,3,4時限目の各時間とも若干ながら授業を延長することになった。

2)1名あたりの発表時間は5分程度を目安としたが、多くの学生はほぼ3分程度で発表が終わった。ただし、凝った作品でスライド数も多く、興味や知識が深い作品では10分近く発表する者もいた。

3)各人はそれぞれユニークなテーマ、凝ったプレゼンテーションにより課題をこなしており、ほぼ全員が満足できる仕上がりとなっていた。

4)テーマは自分の好きな歌手(グループ)の紹介、ペットの紹介、自分の趣味の楽器やスポーツなどを紹介するなど多様に見られた。

5)学生の採点はほぼ偏りもなく満足できるものであった。

6)先週、教室全体で液晶プロジェクタを用いた発表で注意をうながした点に関しては、全体的に向上しているが、逆に思い入れやこだわりの面が弱くなり先週に比べ相対的にレベルが低下した。

 

3.再提出の内容

1)加速度のゼロ軸を3次関数で補正し、変位、速度の時刻歴を求めよ。

2)加速度の時刻歴から0.1Hz以下の成分を除いた後、速度、変位を求めよ。

3)上記で求められた加速度、速度、変位を3次元合成し、最大値と発生時刻を求めよ。

4)上記の1)?3)をA4判1頁に印刷し、提出する。先の課題では学生個人のデータの読みまたは分析を期待したが、提出物の採点を行った結果、ある書籍からの引用やデータ操作の手続きなどで不用にボリュームを増し、内容のないものが多く見られたため、今回はごく簡単に答えが求められる課題とした。

 

4.今週の感想

1)音楽や効果音の録音・再生、アニメーション(ひとつの画面での文字や画像の動き)も良く考えており、ドローソフトを用いて自分で作成した絵を使用している者も多く見られた。また、音とアニメーションをンクロさせるなど出来は全体にかなり良い。

2)先週注意したにもかかわらず、画面を見ながら発表を行ったり、画面の小さな文字をそのまま読んで聞かせるようなプレゼンテーションもあったが、堂々と原稿なしに発表できる者もおり、そのままの画面効果が論文発表会で使えるような発表も見られた。

以上


【第13回】

1999.1.21

情報処理(建築学科)(速報13?1.14)

 

1.授業(演習)概要

1)情報処理全体をとおしての採点表の確認を行った。採点の配分は第1課題10点、第2課題40点、第3(Microsoft Power Point)課題の中間発表10点、第3課題40点で第3課題のボーナス点を特別にプラスして評価し、ゲタをはかせず60点未満のものは不合格になる旨を伝達した。ただし、本日第2課題の再提出を行ったものに関しては、先回の採点結果と本日の採点結果の良い方により集計し直すことを連絡した。なお、「コンピュータリテラシ」及び「情報処理」の単位を取得していない者は、「建築情報処理Ⅰ・Ⅱ」の受講に際して、基礎となる知識や技量が不足している事になり、授業全体の運営上支障となる事が予想される。したがって、これらの科目の単位未取得者については、一定レベルの知識や技量の保有を確認する試験を実施し、設定したレベルに到達していない者は受講を遠慮していただく場合がある事を周知させた。

2)プレゼンテーションを行った第3課題のMicrosoft Power Pointによる作品をネットワークによりホストコンピュータのハードディスクにコピーさせた。これは、各作品の容量が大きくフロッピーディスクでは保存できないことや、貸与したノートパソコンは再フォーマットして返却せねばならず各学生は個人でデータを保存する手段がないため、次年度以降例えば「建築情報処理Ⅰ・Ⅱ」等で本作品を利用してホームページなどを作成する際の手助けとなるようデータを保存するためである。本提出は義務ではなく希望者のみとしたが、多くの学生は提出を行った。

3)貸与したノートパソコン及び付属物の確認と返却を行った。ただし、教務課との交渉により希望者には4月5日まで延長して貸与し続けることができることになり、学生が本日返却と4月5日返却のいずれかを選択できるようにした。返却と延長の状況は以下のとおり。

A組(3時限目)本日返却?30台、延長?24台。

B組(1時限目)本日返却?21台、延長?35台。

C組(4時限目)本日返却?24台、延長?26台であり、

返却台数は75台、延長(4月5日返却)は85台となった。

ただし、この台数は4月開始時の貸与数より1台分少なく、再履修のため後期「情報処理」から受講し始めた学生に追加貸与した2台分を含めると台数が合わないため、欠席者がいるものと考えられることから、貸与時の借用書と照らし合わせ調査中。

4)コンピュータリテラシ、情報処理に係わった教員4名が1年間の感想とまとめを発表した。

 

2.返却方法について

1)返納書に貸与を受けた2名の連名とノートパソコンのシリアル番号を記入させたうえで、箱、本体、電源ケーブル、取扱説明書、Windows95のライセンス及びリカバリーCD-ROM、その他のパンフレット等の有無をチェックさせた。

2)本日返却する者は返納書を2通作成し、1枚を返却するノートパソコンとともに箱づめし付属品等のチェック用とし、教員及び教務課のチェック用他の1枚を教員に提出させた。

3)4月5日に返却する者は返納書1通に貸与延長願いを記入させ提出させた。この者達は春休み期間中責任を持って貸与を受ける者が4月5日13時に1222教室に集合し、本体の再フォーマットを行った上で返納書2通を再度作成し、本日と同じ手順で返却を行うこととした。

 

貸与延長願い書式

日本大学理工学部長 小嶋勝衛 殿                 建築学科1年○番 氏名

私は勉学の為、春期休暇中も上記のパソコンをお借りしますが、平成11年4月5日に間違いな指定された場所に、正常に動作する状態で返却することを約束致します。

 

4)再フォーマットは初期状態に復帰させるCD-R(教務課から70枚を借り受け)を用いて行い、1台あたり約20分を要した。

 

3.年間を通じての感想

 宇於崎:理工学部出身にも係わらずコンピュータを触れない、触ったことがないというような卒業生を送り出す心配はなくなった。コンピュータソフトの利用に関する理解度もかなり深く、船橋校舎・駿河台校舎ともに出力センターなどが整備されれば、学生自身がコンピュータを購入したり、授業や演習、レポートなどに積極的に活用していくような状況が作られたと思われる。しかし学生からはなぜCADをやらないのかという感想が多く聞かれましたが、1本20?30万円のCADソフトを学科で160台分購入する事はまず不可能です。本年度はプリインストールのMS-Officeとフリーランスソフトを用いて演習を行ってきましたが、今後は学部が各学科の状況に応じて、例えば土建系ではCADソフトがプラスされるなど、ハードの購入と貸与ばかりでなく各学科の状況に応じた必要なソフトの整備も進めて欲しいと思っています。(柳田先生の意見が少し入っています)

 

 新 谷:

 建築学科は他学科と異なり、1人1台半期貸し出しではなく、2人1台年間貸し出しという形態で授業を実施した。当初、パソコンの占有利用が1週間交代になる為に、授業の運営上支障が出ることが予想されたが、課題の出し方を工夫する事で対処し、問題なく1年間の授業を終える事ができた。パソコンを1人で占有する環境を提供する事にも意味があると思うが、1年間の授業を振り返って見ると、2人で1台を共有する事によるメリットの方が大きく、教育効果も上げられたと思う。

 2人で1台を利用する事のメリットとしては、例えば、

・授業中の演習では、1人は聞きながら実際に操作をし、ペアとなる1人は操作方法や教員の指示内容をメモしている。そして実際の演習では、2人が協力しあって作業を進める。この為に指示内容を聞き逃す確率が低くなり、授業の円滑な運営が可能となるばかりでなく、ペアとなる2人で知識や技量の共有が可能となり、好ましい教育効果をあげる事ができた。

・2人で1台を共有すると、課題の提出に際し、内容をコピーして名前だけを変えて提出するという事態になる事が懸念されたが、事前に、「もし、コピーをして課題を提出した事を発見した場合には、2人で1人分の課題をこなしたと解釈し、点数を半分にする。」と宣言した効果があって、単純にコピーしただけで提出したものはほとんど見られなかった。むしろ、コンピュータを共有する2人の間で、知識や技量を教え合う事でより良い課題を提出しようとする傾向が見られた。

・2人でペアを組んでいる為に、1人がやむを得ず欠席した場合にも、ペアの者が授業に出ていれば、ペアの間でサポートするという状況が見られ、欠席した為に授業の連続性が失われて分からなくなり、授業を途中で投げ出すという事態になる者が少なかったように思われる。

・授業の進度については、前期中は1人1台の環境を実現している他学科とほぼ同程度の進度を実現できた。後期の授業では、表計算言語MS-EXCELの高度な利用方法や、プレゼンテーション・ツールMS-POWER POINTを使った発表の練習など、他学科では手が回らないと思われる内容にまで踏み込んだ授業を展開できたと思われ、2人で1台という環境ながらも年間を通じて授業を実施できた事の成果であると思われる。また、1・2年生を通して情報処理関係の授業を配した新カリキュラムの効果が 現れ始めていると見ることもできよう。

といった項目があげられよう。

 また、授業の開始時点では、高校である程度の技量を修得している者が多少はいるのではないかという予想があったが、現実には高校の情報処理教育はゲームをしたりネットサーフィンを経験させたりといった程度あり、有用と言えるような知識や技量を修得しているものは皆無に近い状態であった。しかしながら、1年間の授業を終えた後では、1/3程度の学生はキーボードのブランドタッチ(キーを見ないで入力する技術)をマスタしており、大部分の学生は、キーボード・アレルギーから解放されたようである。

 このような高い教育効果が得られた大きな要因は、ボランティアで授業の補助をしてくれた森泉先生と橋本先生、また、高度な技量を持つTA4名(内2名はボランティア)が教室内を回って懇切丁寧な指導を実施してくれた事にあり、次年度以降も同様な教育体制で望む事が必要であると思われる。

 最終講義での簡単な挙手によるアンケートの結果では、5?10%程度の学生はすでに自宅でパソコンを購入しており、半数以上の学生はパソコンの購入を具体的に考え始めているという状況である。

 次年度以降の問題点としては、折角パソコンが使えるようになっても、それを利用する機会を如何に与えるかという点が挙げられよう。すなわち、

・専門教育科目内でのパソコンの有効利用

・入出力センターの整備によるパソコン利用支援環境の整備

等が望まれると思われ、先生方には今後もより一層の御協力をお願いする次第です。

 橋 本:別の機会に感想をいただきたいと思います。

 森 泉:

<感想>新谷先生、宇於崎先生の過剰ともいえる本学科目受講学生への教育環境サービスで、パソコン操作の基本技量は、大学1年生としては満足のいくレベルが達成されたと思います。2年生以降、どのように彼らを導くか?が今後の課題といえるでしょう。

<次年度指導補助担当の助手の先生へ>

私自身、OFFICE系ソフトを常用している人間ではないので、当初は指導補助が心配でしたが、学生は基本的な操作を覚えてくると、高度な操作方法を試行錯誤しながら自ら見つけ出します。ですから、「OFFICEの操作を詳しく知っておかなければ・・」とか、まったく気にされる必要はありません。また、考えられるハード・ソフト面のトラブルは、本年度でほぼ出尽くしたと思いますので、宇於崎先生の速報シリーズを紐解けば、すぐに解決するはずです。1年生とコミュニケーションをとる良い機会ととらえる程度の気構えで十分対応できるのではないかな、というのが私の感想です

(ただし、ケーブルの配線作業等を伴いますので体力は必要ですね)。

以上